先週パッケージデザインの勉強がてら、横浜・みなとみらいにある「資生堂 美の複合体験施設 S/PARK」へ行ってきました。
もともと関西人のなべっちは、あまり横浜を知りません。横浜=港町?ぐらいの認識です。なので今回着物コーディネートは、港町横浜の雰囲気にあわせ、船柄の夏帯で攻める!!
ヤフオクで6月に落札した帆船柄の絽名古屋帯を締めてみたい!という狙いもあるのだけど^^;
しかし思ったよりこの帆船柄の絽名古屋帯は難しかった。その日は着物2枚で検討しコーデを決めたけど、次回もまた悩むと思って夏着物6枚でコーデ再挑戦。色々試してみたのでご紹介します。
着物コーディネートが難しくなってしまった原因
コーディネートを紹介する前になぜ悩ましかったのか、この帯の問題点から説明しますね。
この帯は金糸銀糸が使われており、ラメっぽく輝いている箇所もあります。オークション写真では気づきませんでした。
それで何が問題なの?と思われそうだけど、実際帯を締めて見るとかなり重厚な印象。カーテンやクッションカバーなどに使われる、ゴブラン織りみたいな感じです。
洋服でコーディネートを例えるなら、冬の重厚なロングスカートにシースルーの長袖ブラウスの組み合わせってとこ。オシャレにまとまったらカッコいいけど、一歩間違えたらチグハグな感じになる…
ま、とにかくこの帯に対して夏着物のコーディネートを検討してみましょ。
着物1枚目:アンティーク夏着物(八つ橋に秋草文)
レトロな帯なので、最初に手を伸ばしたのがアンティーク夏着物(八つ橋に秋草文) です。帯も着物も古いから、バランスとれるのでは?
でもその着物を羽織って帯を当ててみると、透けそうなほど薄い着物に対して帯がやはり重たい印象になりました。なので当日は着物を着付けるまでもなく却下。写真で見る分には全然OKなんだけどなぁ…
まぁ重厚感ある帯ではあるものの、白っぽいからこの着物に合わないこともない。当日は却下したけれど組み合わせてみよう。
1枚目の写真は、黒の三分紐でキリリと引き締め、着物と帯の境界線には明るい色ですっきりさせようとスカイブルーの夏帯揚げでコーディネート。
2枚目の写真は、もっと軽やかな印象にしたくて、着物の花柄にも使われてる黄色(それより明るいレモン色)でをまとめてみました。明るい三分紐に変更するだけで雰囲気変わりますよね。
悪くはないと思ったんけど、八つ橋って小川にかかる板橋だったのでは?。帆船は通れないだろうなぁ…
着物2枚目:銘仙夏着物(葉っぱ柄)
本命はこの銘仙夏着物でした。1枚目の青系着物と同様古い着物だから、帯と時代的にあえばいいなぁと。
着物は作られた時代を合わせると、ビンテージ感や色の彩度が近くてコーディネートがまとまりやすいよ。
時代とともに染料が発達し、発色も綺麗になってきた分だけ、混ぜて組み合わせると古臭さが目立っちゃうことも。
黒系着物にベージュの帯はメリハリあって良い感じ。船の図柄もくっきり引き立ちますよね〜
1枚目の写真では、着物の地色に合わせて三分紐も黒、帯揚げは着物の中の青色に合わせてみました。クールに決まったと自画自賛。
この青色の絽帯揚げは、夏しか使えないのに暑苦しくて今まで一度も出番無しのアイテムだったけど、濃い色の着物の差し色として使えるアイテムなのでは?
写真2枚目は、夏に爽やかさ出るかなぁとパステルカラーの組み合わせ。
ミントカラーの帯揚げ&三分紐です。
この2タイプだったら、私としては1枚目のメリハリ着いたコーデが好きかも。
でも、葉っぱ柄よりもっと海らしい雰囲気の夏着物持ってたんだった。
着物3枚目:ぼかし夏着物(黒白紺グラデーション)
レトロな帯だけに現代モノの着物を組み合わせる予定はなかったんだけど、海らしさをイメージするならこれがいいのでは?と取り出したのが青が入ったぼかし夏着物です。
この着物は着物屋さんで働いてたときにお仕立てした初めての夏着物。本来ちりよけなど着物コートによく使われる紗布という柔らかい薄手の生地です。着物として仕立てるのは可能ということで購入したのだけど、コントラスト激しすぎてうまく活用できずタンスの肥やし着物でした…
写真1枚目は黒の帯揚げ&三分紐コーディネート。黒の夏帯揚げは持って無いから通年用の帯揚げだけど、そもそも涼やかさは二の次コーデとなってるだけにこれで十分かな。現代的なモダンコーデでいいんじゃない?
写真2枚目は着物に色負けしないよう少し濃い目の青緑三分紐と顔色上がるのを期待してスカイブルーの夏帯揚げ。帯に描かれてる水面の色とも合致してて良いかも。
着物4枚目:阿波しじら織り着物(鰹縞)
色合いではベストマッチと思いながら却下したのが、阿波しじら織り着物です。
阿波しじらはカジュアルな綿着物で、金糸の帯と相性が良くないの。
夏パジャマに金銀ネックレスを組み合わせるような、ギャップが感じられて〜
でも着物はどっしりした色合いで帯にも負けないし、1枚目の写真のようにミントカラーの帯揚げ&三分紐をプラスすれば爽やかさもUPして丁度良いんじゃない?
2枚目の写真もレモン色帯揚げ&三分紐でも良いよね。この青に補色の黄色も相性抜群。
問題ないと言い聞かせても、肉眼で見ればやっぱり素材の違和感が拭い去れない。
先に紹介した銘仙着物の重たい海の雰囲気とは違い、爽やかな海を思わせる着物に帆船柄の帯。色合いだけなら最高なのにほんと残念。
着物5枚目:洗える絽の夏着物(水色×キラキラ柄)
素材が合わない阿波しじら織り着物でも試してみたんだし、洗える絽の夏着物もコーディネート挑戦。現代の鮮やかなスカイブルー着物に、くすんだレトロの帯です。
帯の重たい印象が際立つアイテムですね〜
1枚目の写真は、紺色夏帯揚げに黒の三分紐。お、重たすぎて無理…
2枚目の写真は、またしてもレモン色でチャレンジ。
木綿着物よりは滑らかな手触りで上品さあがる洗える絽の夏着物だけど、やっぱり古い帯と合わせると発色が違いすぎて、帯の汚れが目立つよ
着物6枚目:アンティーク麻着物(白×幾何学柄)
最後は予想外だった麻着物です。これは綿着物の阿波しじらと同様、金糸銀糸の帯とは素材があわないんですけど試してみました。
この麻着物は古くて生地が弱そうなだけに、外出先で破けてしまったら?と思ってほとんど着てないな…
たまには着てあげなくちゃ。
予想外だったのは、パステルピングが着物にベストマッチだったこと。着物の中にその色入ってるんだから当たり前なんだけど、白着物に淡いピンクのコーデって40代には若作りし過ぎかなぁと避け、したことなかったんです。
写真1枚目のピンクコーデを気に入りましたー。帯が全然引き立ってないことは無視。白やグレーの夏帯だったら絶対ぴったりキマるやん!
写真2枚目のミントカラーコーデもいいよね。帯が爽やかな色合いであれば。
帯はもはや柄のないベージュ単色とイメージしてコーディネートしてしまってる私。この帯は置いといて、この麻着物にはピンク系の三分紐&帯揚げ使おうっと。
手持ちの帯まわり夏アイテム(帯揚げ&三分紐)
帆船柄の絽名古屋帯とコーデネートするのに使った帯まわり夏アイテムたちです。
黒の帯揚げだけ夏物じゃないけれど、それ以外は正絹の夏物絽帯揚げに三分紐。
夏の帯締めは苦手です。とりあえず何色か持っているものの、なんかピンとこなくてずっとタンスの肥やしのままです。
今回は色に左右されない銀の小さな帯留めで、コーディネート考えてみました。
これでこの帯を次に締めるとき、着物コーディネートに悩まなくても済むわ♪
帯締め&帯揚げだけで、同じ着物と帯でも印象が変わる。小さいものだしそんなに高くないものだから、少しずつ集めていけばコーディネートの幅広がりますよー
夏は沢山汗かくだけに、柄物はないけど帯揚げは洗えるラミエール素材がオススメだったり。
ネットオークションあるある、写真で気づかないシミ
ヤフオクで帆船柄の夏帯に一目惚れし、3600円で落札したお気に入りの一枚。ですが、見落とししてたシミがありました。商品紹介には○枚目の写真「太鼓上部にシミ」と説明があったし、じっくり見なかっただけ。
オークション写真のようにお太鼓作るのがこの帯の長さから言って違和感がなかったけど、夫に着姿を確認してもらったら柄が分かりづらいと言われました。日常で帆船なんて見かけないし、すぐに気づかなくても仕方ないかぁと思ってたんですが。
でもタレ先のデザインからして、私のお太鼓の理想はオークション写真と異なると気づきました。ただそれだと太鼓上部のシミがオークション写真で見てたときより目立つ。うーん、悩ましい…
船本体から帆先まで伸びる、この見せ方のほうが右に余白もたっぷりあってかっこいいよね。
着用した帆船柄の絽名古屋帯コーディネート
シミについては仕方がない。銀座結びにしちゃえばタレが少しぐらい見えづらくてもいいじゃん。ということで、十分かっこいいと思える帆船帯のコーディネートでお出かけとなりました。半衿は黒のほうが粋だったかなぁ…
最後に
今回横浜=港町=船柄帯と連想し、それに合わせて着物6枚検討したけれど、コーディネートの意図が伝わりますように。
着物はシーンに合わせた図柄を考えることができ、楽しい。花見の季節には桜の着物を着たいと思うし、ハロウィンの季節は骸骨柄をどこかに取り入れたいと思ったり。普段着物は自由に遊べて最高。
ただそうは言っても、異素材の組み合わせはハードルが高いです。洋服同じように、理解していてあえて外すアイテムであればオシャレだけど、今の私には金糸銀糸の普段着物コーディネートが難しい。この帯は、まだまだ高くそびえ立つアイテムと実感する挑戦でした。