念願の正社員、3ヶ月でのドロップアウト
まさか、こんな結果になるとは。
39歳でやっと掴んだ念願の正社員。私はWEBデザイナーからアプリマークアップエンジニアを経て、アプリのUIデザイナーとして採用された。
任されたお仕事は、看護師さんのための業務アプリのデザインだ。これまで紙で記入していた記録や情報を、iPadアプリから登録できるようにするサービスの開発だった。
責任範囲の広いUI設計業務は多岐にわたった。具体的には、看護師さんのユーザー体験を向上させるためのユーザーフローの検討から、機能ごとのプロトタイプの作成、開発メンバーとの連携、そして既存のデザインシステムへの新しいコンポーネントの組み込み、さらにはエンジニアへの詳細な指示書作成まで、多くの工程を担っていた。
最初は意欲的に取り組んでいたが、結果はたった3ヶ月での退職。自分で選んだ、やりたかった仕事なのに、精神的に追い込まれてしまった。
ストレスと体調の記録
仕事に遅れが出たり、締め切りに追われてテンパって自信を喪失する日々が続いた。業務内容は初めてのことが多く、特に新しいデザインシステムのルールを覚えつつ、プロジェクトの要件に合った最適なインタラクションを短時間で提案し続けるプレッシャーが重くのしかかった。
それに加え、業務の進め方と環境が精神的・肉体的な負担を増幅させた。
- 日帰り出張の負担:
受託案件のため、クライアント企業への訪問で毎週、大阪・東京間の日帰り出張が必須だった。慣れない長距離移動と日帰りは、体力的に大きな負担となった。 - 相談相手の不在と丸投げ:
開発メンバーが全員東京にいる中、PM(プロジェクトマネージャー)はUI設計について全面的に私に丸投げし、業務上の悩みを相談できる相手がいなかった。 - アジャイル開発の弊害:
リリース前からアジャイル開発が進められ、仕様が固まらないまま、設計書作成とビジュアルデザイン(カンプ)の並行作業を強いられた。依頼者の意見が変わるたびに設計書とカンプの両方を修正する必要があり、これが精神的にしんどかった。
このままでは乗り越えられないと感じたのだ。
何より、職場の雰囲気が精神的にダメだった。会社自体は20時には大半が帰る良い会社だったのに、自分は毎日終電まで仕事を続けても終わりが見えない。なぜか職場にいるのが怖くて怖くて仕方ない。
この頃の私は本当に限界だった。
- 精神状態:
不安に苛まれ、家でも外出先でも涙が止まらない。ちょっとした仕事メールを見ただけでも涙がこぼれてきた。周りの会話がすべて自分の批判に聞こえる被害妄想も止まらない。「私は役に立たない、生きる価値がない」とまで思い詰めた。 - 身体の異変:
ずっと生理がきていない。なかなか眠れない。お腹はいつも下痢気味。逆流性食道炎の兆候も出て、味覚も鈍くなり濃い味を求めるようになった。常に体調が整わず、完全に自律神経が乱れていた。
MTGで仕事の遅れを突きつけられた時には、ついに感情をコントロールできず、大人の私が人前で泣いてしまった。恥ずかしかったけれど、もう限界だった。
今後のこと
ハハハ……3ヶ月でドロップアウト。夫にぶら下がっているだけの自分が情けない。
この日記を書けたことが、少し回復できた証拠かもしれない。
また転職することになったけれど、この歳で次があるだろうか?正直、一度ITから離れたい気持ちもある。でも、そうすると未経験になってしまう。
とりあえず、しばらくは休んで、次何をすべきかゆっくり考える。課題だった家の処分にも手を付けてみようと思う。
まずは、普通に友達と会い、楽しくおしゃべりできる気持ちに戻りたい。

