デジタルで蘇る名画「モネ&フレンズ・アライブ」デザイナーが注目した感動体験の裏側

「モネ&フレンズ・アライブ」UI/UXデザイナーが注目した感動体験の裏側

※「モネ&フレンズ・アライブ展」は終了しました。

リアルな「イマーシブ体験」を求めて

先日、東京で開催されていた「モネ&フレンズ・アライブ展」に行ってきました。この展覧会は、印象派の巨匠たちの作品を、デジタル技術で新たに体験できる、いわゆる没入型コンテンツです。

夫がイマーシブミュージアムに興味があるのでよくついて行くのですが、こうした体験型アートへ二人で足を運ぶたび、私もすっかり面白さにハマってしまいました。

参加動機: デザイナーとして仕事をしている私にとって、良いものを見ることは感性を磨く上で非常に重要。このイベントに参加することで、「心を動かすデザイン」の最前線に触れたいという思いがあるんです♪

印象派と技術革新:デザインの視点

特にこの展示会で中心に取り上げられていたのは、印象派の代表的な画家クロード・モネ。彼をはじめとする印象派の作品が、360度の大画面で映し出される空間です。

モネ&フレンズ・アライブ 東京展

印象派が生まれた背景

印象派は、19世紀後半にフランスで生まれた美術の流派で、瞬間的な光や色彩の変化を捉えることに焦点を当てた画家たちのこと。それまでの絵画が精緻に描かれたものが主流だったのに対し、彼らはより自然な風景や日常の一瞬を切り取ろうとしました。

その裏には、チューブ入り絵の具の発明という大きな変化がありました。

屋外で絵を描く

これにより、画家たちは外に出て、実際の自然光の中で描けるようになり、光や色の移り変わりを直接観察しながら描けるようになったのです。

外で自由に絵が描けるようになったのは、当時の画家にとっては大きな革命だったはず。今で言うスマートフォンや生成AIの登場のような、表現の幅を一気に広げる感覚だったのだろうな。

360°に広がる感動体験と没入感

私は会場の真ん中で体育座りをして、30分ほどクラシック音楽を聴きながら、作品の映像を眺めていました。

モネ&フレンズ・アライブ でモネの作品を鑑賞

特にモネの『睡蓮』や、ルノワールの鮮やかな作品が印象に残りました。音楽と映像がシンクロすることで、本当にその場にいるかのように感じることができる、心地よい没入感◎

360度のスクリーンに囲まれると、目の前だけでなく、全身で作品を感じられるのがすごいです。日常の喧騒を忘れてアートの世界に浸ることができました。

UXデザインの視点:感動の設計

この展覧会は、伝統的なアートをデジタル技術で再解釈し、新しい形で楽しませてくれる、アートとテクノロジーの融合の最前線です。

デザイナーである私にとって、これはWEBデザインやサービス設計におけるUX(ユーザーエクスペリエンス)の観点から非常に興味深い学びを与えてくれました。これが、今回私が注目した「感動体験の裏側」です。

イマーシブ体験からの学び

  • 五感へのアプローチ:
    従来の絵画鑑賞は「視覚」が主でしたが、この展示は「視覚」と「聴覚」をシンクロさせています。デザインにおいても、視覚的な美しさだけでなく、アニメーションや音を含めた複合的な心地よさを考える必要がありそうです。
  • 「全体」を感じる鑑賞:
    アート展に行くと、つい作品の細部ばかりをじっくり見がちですが、この展示は全体を感じて楽しむタイプです。WEBデザインで言えば、個々のパーツの美しさだけでなく、「サービス全体のトーン&マナーや一連の流れ」で感動を与えることがUX設計の核心だと改めて感じました。
  • 「居場所」の提供:
    鑑賞者に「居場所」を与え、その空間に「没入」させる設計は、ユーザーをサービスに深く引き込むエンゲージメント設計のヒントになります。

最後に

モネ&フレンズ・アライブ展は、伝統的なアートをデジタル技術で再解釈し、新しい形で楽しませてくれる素晴らしい体験型の展示でした。

これまでアート展にあまり行ったことがない人でも、気軽に楽しめるので、デザイナーとして感性を刺激したい方には特におすすめしたい体験です。

モネ&フレンズ・アライブ 東京展 は9月29日(日)18:00まで!

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