ゲームからUI/UXを学ぶ:デザイナーの視点とイベント体験記(終了イベント)

【UX考察】 ゲームから学ぶ展 デザインの視点

※イベント「人生の大切なことをゲームから学ぶ展は終了しています。

  • UX(ユーザーエクスペリエンス)とは
    ユーザーが得られる体験のこと。
  • UI(ユーザーインターフェイス)とは
    ユーザーと製品・サービスをつなぐ接点のこと。

私がWEBデザイナーとして2005年にスタートしたとき、この言葉は身の回りで聞いたことがありませんでした。

2007年にUI開発サービスに携わった頃、私の仕事は管理画面の操作性向上(UI改善)が主でしたが、現在は「使いやすい画面設計(UI)を超えて、いかに心地よくゴールにたどり着く体験(UX)を提供するか」が重要だと感じています。UIはUXの一部ともいえます。

この展示会は、そのUXを楽しく体験しながら学べるのではと思い、東京丸の内 GOOD DESIGN MARUNOUCHIへ足を運びました。

会場はまるで昔のゲームセンター!

3月15日(金)から開催されていた「人生の大切なことをゲームから学ぶ展」、最初の週末とあってか、めっちゃ賑わっていました。

GOOD DESIGN MARUNOUCHI

会場には「人生の大切なことをゲームから学ぶ展」と銘打たれた、この展示会オリジナルのレトロゲーム機が多数設置されており、大人から子供まで大盛況。

人生の大切なことをゲームから学ぶ展 会場雰囲気

順番待ちが出るほどの賑わいで、レトロなドット絵やシンプルな操作感のゲームは、私のようなリアルタイム世代には懐かしく、若い世代には新鮮に映ったようです。

ちなみにゲーム機の筐体はダンボール製で、液晶画面とコントロール部をはめ込んだ工夫もデザイナー目線で面白い発見でした。

ゲーム体験から「UX」を考える

展示されていたのは、【成長、勝利、仲間、困難、お金、挑戦、時間、考え方】という8つのテーマに沿って作られた、どれも3分未満で終了するオリジナルストーリーのゲームでした。

私が体験した「バトルを通じて勇者がどの職業になるか」というゲームでは、魔法を使うのか、剣を使うのか、歌うのか、逃げるのか…とコマンドを選択し、敵のセリフは意外性があって面白く、夫と全く違う結果になりました。

体験の設計:UIとUXの関係

最初は「楽しいけど、ここからUXの何を学べばいいんだろう?」と疑問を感じましたが、ヒント探しにゲームに添えてあった説明を読み、実際の体験と照らし合わせてみました。

そして、一つの結論に至りました。

  • わかりやすい操作画面やボタン(UI)
  • 盛り上げていく音楽
  • 敵の反応といったストーリー(意外性のある体験)

これら全てが、ユーザーに「考え方」のテーマを体験(UX)させるために緻密に作り込まれているということです。

単なる「使いやすさ(UI)」だけでなく、サービス提供者として「ユーザーに到達して欲しいゴール(学び)」があり、そこへいかに心地よく、あるいは驚きをもって辿り着かせるかという設計こそがUXデザインなのだと、このゲームを通じて体感的に理解することができました。

調査結果パネル:「ゲームから学んだ人生の大切なこと」

会場にはゲーム体験だけでなく、ゲームから学んだことの調査結果や、著名者のコメントが多数展示されています。

ゲームから学んだこと

上位には「困難は克服することができるということ」や「失敗からも得られるものがあるということ」といった項目が並んでいました。

私はゲームをあまりしませんが、ソシャゲに熱中したとき、イベントの時間に追われて悔しい思いをした経験から「時間の大切さ」を痛感。ゲームは単なる娯楽ではなく、人生の重要な教訓を体験させてくれるツールなのだと感じました。

おまけ:ドット絵ステッカー作り

会場を一通り楽しんだあと、自分の写真がドット絵に変換されるステッカー作成機があったので試してみました。

ステッカー作成機

自分の写真がドット絵に変換され、ステッカーとして手に入ります。

最後に:体験が生む理解

無料展示で気軽にレトロなゲームを楽しむ場所と思って行くのでもいいのだけど、デザインの説明を意識して体験すると、これまでと違った視点でゲームを楽しむことが出来ます。

「UXって結局よくわからん…」と感じるデザイナーや企画職の方にとって、この展示会のようにリアルに体験し、その設計意図を考えることは、書籍を読む以上の学びと理解を深める機会になったと感じています。

ぜひ、こうした「体験と学び」の機会に、今後も積極的に足を運びたいと思います。

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