2月21日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されている『攻殻機動隊展』へ行ってきました。
実は私、攻殻機動隊については「タイトルを聞いたことがある」程度の初心者。夫に誘われたのをきっかけに、慌ててAmazonプライムでアニメ映画『GHOST IN THE SHELL』と『S.A.C. 2nd GIG』を予習して挑みました。
1989年に描かれた「未来」への驚き
この作品、何より驚くのが連載開始が1989年だということ。
当時はスマホはおろかSNSもなく、ゲームボーイがようやく発売された頃です。そんな時代に、すでに「AI」という言葉が使われ、人間の脳とネットを繋ぐ技術が描かれていたなんて。
今の時代のAIとはまた少しニュアンスが違う気がしますが、「AIって何だっけ?」と考えさせられる深さがあります。マトリックスの世界観のルーツと言われるのも納得。正直、当時の私の想像力ではついていけなかっただろうな……と思うほど、概念的な問いかけが多い作品でした。
圧倒的な没入感「NODE(思考の結節点)」
会場に入ってまず驚かされたのが、壁一面の巨大なマッピング空間。

自分自身が攻殻機動隊の情報ネットワークに接続されたような感覚になります。壁際に沢山並んでいる検索端末に触れると、膨大な作品データが横断的に表示される。この演出だけで一気に世界観に引き込まれました。
1,600枚の原画が語る「人間がペンを走らせた跡」
さらに進むと、圧巻の原画展示エリアへ。

会場には若い世代から年配の方、そして海外の方まで幅広い層が。攻殻機動隊の影響からか、世代を超えてアーティスティックなファッションの人も多く、この作品が世代や国籍を超えて「尖った感性」の人たちを惹きつけているのが分かります。
ここで一番心に刺さったのが、手書きの指示書きや設定資料でした。


デジタルで簡単に修正・量産ができる今とは違い、1枚1枚が絵具と筆、そして緻密な線画で作り上げられています。


特にこのゾウ(ガネーシャ)を模したパレードシーンの原画と彩色の対比は圧巻です。「これ、本当に手書きなの?」と疑いたくなるほどの鮮やかさと密度。
普段、私たちは完成した『映像』としてこれらを観ていますが、その源流にあるのは、こうした一枚の紙に刻まれた『人間がペンを走らせたリアルな跡』なんですよね。
液晶越しに流れるツルッとした映像とは違って、原画の前では、描き手の迷いのない線の震えや、インクが紙に染み込んだ生々しい質感、修正液が塗り重ねられた跡など、『そこに確かに人がいた証拠』がダイレクトに伝わってきます。
デジタルで何でも効率化できる今だからこそ、一切の妥協がないこの手仕事の塊を目の当たりにして、自分ももっと一つひとつの仕事に真摯に向き合おうと、強く背中を押された気がしました。
「光学迷彩」を体験してみた
展示は見るだけでなく、体験型のブースもありました。

Tシャツをかざすと自分の体が消えて見える「光学迷彩」体験。
この日は着物で行っていたのですが、ハイテクな世界観と着物の組み合わせが不思議とマッチして面白かったです。
他にも、光り輝く衣装やメタリックな草薙素子の彫像などありました。


タチコマも映像から抜け出して、立体的な物体として会場に展示されていて…

アニメではあんなに可愛かったキャラも、実際に目にすると想像以上のサイズ感。これが街中にわらわらといる世界を想像して、なんだか少しゾッとしてしまいました。
最後に:図録の後悔
最後はグッズ売り場へ。
にわかファンながら、今回の展示の深掘りをするために公式図録が欲しくなりました。ただ、実物は本当に分厚く、重厚な資料。「これ、帰ってからちゃんと読み込むかな……」と一瞬怯んでしまい、断念してしまいました。
ですが、お会計は「1人1入場につき1回限り」。
帰宅してから、「やっぱりあの情熱を形として手元に置いておくべきだった」と少し後悔しています。
知識ゼロから入った攻殻機動隊の世界でしたが、クリエイターの端くれとして、その熱量に圧倒された一日でした。
1989年の予言と、今も色褪せない手仕事の熱量。 デジタル全盛の今だからこそ、その「原点」に触れることで、これからの自分の仕事に新しい視点をもらえた気がします。
気になった方は、ぜひ虎ノ門まで足を運んでみてくださいね。
「攻殻機動隊展」開催概要
今回お邪魔した展示会の詳細です。クリエイターの方はもちろん、今の時代の「AI」や「ネットワーク」の源流に触れたい方には、本当におすすめの展示でした。
- 展覧会名: 攻殻機動隊展
- 開催期間: 2026年1月24日(土)〜3月22日(日)
- 会場: TOKYO NODE(虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F)
- 公式サイト: https://www.tokyonode.jp/sp/exhibition-ghostintheshell/
- 備考:
- チケットは日時指定制(事前予約がスムーズです)
- グッズ販売は1入場につき1会計のみとなっています。図録など、迷ったら「買い」かもしれません……!(笑)
