40代フリーランスの葛藤:コーダー降格の不安をUX学習で乗り越える

私を縛るコード、私を導くデザイン

【Part 1】業務委託の現実とキャリアの危機(約1年前の記録)

この記事は、私がキャリアの危機に直面した当時の記録と、そこから行動を起こした道のりをまとめたものです。この不安を抱えた当時の詳細については、以下の記事をお読みください。

ここでは、その時の葛藤の核心をまとめます。

契約変更と業務変質への切実な不安

業務委託契約が「作業量に応じた準委任契約」へ変更提案されたことで、待機時間や収入の安定性に対する不安が募りました。

さらに、会社の体制が変わる中で、私の役割は UIデザインから社員ができないコーディングがメインにシフト。自分で作ったWordPressのテンプレートが、自分の仕事を奪うという皮肉な状況も生まれました。

40代の焦燥:「雑用係」で終わりたくない

最も辛かったのは、「デザインは社員ができるから、あなたはコーディングだけを」という態度から、「都合の良いコーダー」や「雑用係」にされていると感じたことです。

  • 40代後半という年齢で、市場価値の高いUIデザインスキルではなく、技術の変化が早いコーダーに成り下がってしまうことへの恐怖。
  • ネガティブな感情がグルグルと回り、「私、このままで、いいのかな」という問いが頭から離れませんでした。

立ち上がり、行動を決意

この不安を「見苦しい」と非公開にしていましたが、このリアルな感情こそが記録の価値だと再認識。この状況を直視し、「ネガティブな自分も受け入れ、とうとう立ち上がった」という決意をもって、行動を模索し始めました。

【Part 2】プログラミングへの試みと、挫折の理由(2021年秋〜2022年春)

立ち上がった私がまず試みたのは、収入維持と市場価値向上のためのプログラミング学習でした。しかし、この挑戦は「私にはプログラミングが一番大切なことではない」という、苦い結論に終わります。

1. 努力の記録と、忍耐の限界

私は2021年9月から、TechAcademyでPHP/Laravelコースとフロントエンド(JS/Vue.js)コースの学習をスタートさせました。

当時のTwitterの学習記録からは、146日間に及ぶ努力の様子が克明に読み取れます。

  • 2021年10月〜11月:
    Laravelの最終課題で設計図の再提出を重ね、「理解できない自分に泣けてきた」と自己否定に陥る。夫の励ましでコース延長を決断。
  • 2021年12月(苦痛のピーク):
    画像アップロード機能の実装に集中。「毎日何時間悩んでるんだろう?と正直辛くなってて楽しめない」。この時の感情は「達成感より苦行から解放されただけの安堵感。私には難しい…」というものでした。
  • 2022年1月(再び挫折):
    Vue.js応用で「3時間半、結局理解できずタイムオーバー。自分バカすぎる」と挫折感を味わう。

「解けても楽しくない」という致命的な気づき

技術的にはコースを修了し、最終課題も合格しましたが、その過程で私は致命的な気づきを得ました。

「解けたとしても、楽しくない。

プログラミングはあくまで手段であり、心から没頭し、楽しみながら突き詰める境地には至らない。むしろ、ターミナルや環境構築(AWS、Dockerなど)の複雑さに直面するたび、「グルグル」になり「やっぱり私はコーダーになりたいのではない」と逃避する姿勢を見せました。

私にとって、プログラミングは「業務の延長線上にある苦痛」であり、キャリアの不安を解消する答えではなかったのです。

【Part 3】原点回帰と、UXデザイン思考への決意(2022年秋)

プログラミングへのモヤモヤを抱えながら、私は立ち止まり、改めて「一番楽しかった仕事」を自問しました。

それは、ECサイトの設計やアプリ開発など「何が求められているかユーザーに聞き、サービスをどう良くするかを考える」仕事でした。

私が求めていたのは、技術の習得ではなく、「設計」や「企画」といった上流工程への回帰だったのです。

  • 新たな目標の発見:
    夫の「Xデザイン学校で学べばいい」という一言で、求人票でよく見かけるものの、これまで体系的に学んでこなかった「UX/デザイン思考」に焦点を当てることを決意。
  • キャリアの再定義:
    業務委託でUIデザインを失いかけたからこそ、その原点である「ユーザー体験」を徹底的に学ぶ必要があると悟りました。

そして、2022年9月。私はXデザイン学校の「ビギナーコース」で新たな挑戦をスタートさせました。

40代後半での学び直しは、正直不安で怖いです。しかし、あの時の「格下げ不安」に押し潰されず、自分の強みと向き合い直した結果です。

この新たな一歩が、迷走していた私のキャリアを光の差す方向へ導いてくれると信じ、未来の自分に期待しています。

スポンサーリンク