正論に押しつぶされて
部署の朝会で、作業の遅れを真っ向から指摘された瞬間。
胸がぎゅっと締めつけられて、涙がこらえきれませんでした。

この年で感情を抑えられないなんて、情けない…
そう思いながらも、仕事は待ってくれません。
結局その日も、終電まで必死にパソコンに向かいました。
見えないゴールに迷い込んで
これまでの自社サービスの仕事では、多少の遅れも周りが調整してくれました。
でも今の案件は他社サービスとの共同開発。名目は「共同」と言いつつ、実態は受託案件に近く、勝手が大きく違いました。
私はその開発チームに参加しているものの、唯一のUIデザイナー。しかも事務所も東京と大阪という別拠点で、やりとりはほぼリモート。細かい状況を共有することも難しく、孤立感ばかりが募っていきました。

みんなは隣同士で相談できるのに、私は一人だけ違う場所…。
チームに入っているはずなのに、いつも取り残されてる気がする
- デザインのストックはゼロ
- 仕様は最初から曖昧
- チームの足並みもそろいづらい
- UI改善が延々と続いて、ゴールが見えない

次々に改善要求ばかり来るのに、どこが“完成”なのか誰も教えてくれない…。
これじゃ、どれだけ頑張っても終わらないよ
休日さえも、心が休まらない
夫が1週間ぶりの東京出張から帰ってきた日。
そのままスーツケースを片手に会場へ直行し、私も合流して知り合いが参加するビジネスセミナーに途中参加しました。
本当なら「おかえり」と笑顔で迎えたかったのに、休みの日もセミナーやスキルアップで心は休まらない。
トイレ休憩のとき、ついスマホを開いてしまい――
そこに飛び込んできたのは、クライアントからの修正依頼メール。

休みの日まで…なんでこんなに追い詰められるんだろう。
セミナー会場にいても、心は仕事に縛られてる…
セミナー後は知り合いとの懇親会もありました。
本当なら久しぶりに笑って話したかったのに、うまく微笑むことすらできず、早々に会を抜けて帰ることに。
スーツケースを片手に歩く夫の横で、私は言葉少なに俯いたままでした。
夫との会話
夜、晩酌をしながら話していると、夫が静かに切り出しました。

そこまで辛く自分をコントロール出来なくなってるなら、仕事を辞めたほうがいい!

え…でも、経験が足りないだけで…もっと数をこなせば慣れるはずだよ

違う。毎日終電まで働いて、感情が乱れてる時点で危ない。
壊れてしまったら、治すのに何年もかかるんだよ。
そして夫は、さらに厳しい言葉を投げかけました。

その仕事はお前に向いてない。誰と戦ってるんだ?

出来ないことを隠そうとするな。プライドなんて捨てろ!

…そんなふうに言われたら、胸がえぐられるように痛い。
でも確かに、私は“できない自分”を認めるのが怖かったんだ。
夫の言の言葉はきつかった。だけどその一方で、今の私に必要な現実を突きつけられた気がしました。
涙の先に見えたもの
あの日の涙は、弱さの証じゃなかった。
「これ以上無理をしたら危ない」という、自分自身からのサインだったんです。
働くことは好き。
でも、それ以上に「元気でいる自分」でいたい。
夫の言葉を受け止めて、そう思えるようになりました。
もしかしたら次の一歩は、勇気を出して環境を変えることかもしれない。
それもまた、前に進む選択のひとつです。
まとめ
- 仕事のプレッシャーで涙が止まらないとき、それは心が発しているSOSサイン
- 「逃げる」ことは弱さではなく、自分を守る選択
- 環境を変える勇気もまた、前向きなキャリアの一歩
もし今、仕事で涙が止まらないほど追い詰められているとしたら…。
無理をして頑張り続けることが、本当に未来の自分を幸せにするでしょうか?
時には「休む」「手放す」ことも、次のステージに進むための大切な選択肢かもしれません。

