蒔絵(まきえ)って知ってます?漆器にうるしで絵を描き、乾く前に金粉や銀粉をまいて表面に粉を付着させる技法。今回友達と一緒にその蒔絵体験してきました。
大人の文化祭2019 in 品川 レンタルスペース「松本」
蒔絵体験は大人の文化祭2019で行われた企画の一つで、他にも抹茶体験や菓子切袋づくり、つまみ細工など色々催されていました。会場は東海道の趣を残す北品川宿の古民家「松本」。明治時代に建てられた一軒家で、大正時代から「松本酒店」、戦後は居酒屋「松本屋」、店主高齢化により今はレンタルスペースとなってます。
品川蒔絵体験
品川蒔絵体験は2時間、受講者は約10名、汚れ防止にエプロンを借りて待ってると、宝石デザイナー・蒔絵師の永坂景子先生の講座が始まりました。
まず先生の素晴らしい作品を拝見させてもらい、次に蒔絵についての解説があり、体験する品川蒔絵のサンプル作品が回されていきます。
そして黒・朱色の平皿にお椀の中から好きな漆器を選択。私は黒の平皿で友達は朱色のお椀を選びました。それでは制作開始。
下絵付けのためのトレース
漆器にうるしで絵付けするけれど、いきなり筆を持って好きに描くのは難しい。そこで先生が何枚ものイラストを配ってくれました。他の参加者さんは、事前にネットで画像を探したりと気合を感じられます。
鶴とか描きたかったけど、線が太くなったりして大根足やアヒルのようにふっくらしたら怖い。線が単純?大柄の椿をトレースししよう。
そして元絵の上にトレーシングペーパーを乗せ、鉛筆でなぞっていきます。これなら絵が下手でも問題なし。線をなぞったところで、紙の裏にチョーク?白い粉を塗りました。
この絵って難しかったの?選ぶの時間かかりすぎ?この時点で一番制作遅くなってしまった
下絵の構図決め
どの絵にするかもかなり悩んだけど配置も難しい。センス問われますよね。レイアウトって。
大きな絵だから、縁まではみ出させてしまおう
絵を配置したらテープで止めます。平皿だけど少しだけ深みあって、うまく貼り付けられない。。先生に相談したら切れ目を入れてくれ、上の部分だけテープで止めることになりました。
友達は、ウサギを器の中で遊ばせ楽しげな作品になりそう。
漆器に下絵転写
構図が決まったところで下絵を赤いペンでなぞっていきます。なぞった部分だけ漆器に白く粉が付着するので、それ以外は触らないようとのこと。何度も紙を指で押しつけ、粉だらけの友達の失敗を横目で見て、できるだけ触らないようにドキドキ。
ウサギがトドになる!と友達は騒いでるけど大丈夫?
うるしで絵を描く
緊張するのはここから。筆を持ち、うるしで下絵をなぞっていきます。うるしはベトベトしてるから線はあまり伸びず、ボテッとなりがち。皮膚にうるしが付着するとかぶれる恐れもあるから気をつけないと。
葉っぱの部分はベタ塗りにしようと思い細筆から太い筆に変更。残り時間10分もありません。すでに他の参加者が終わってる…
細く繊細な線を描くのが難しい。気づけば息止めて描いてました。
金粉・銀粉を蒔く
最後に描いたうるしの上に粉をまいていきます。面積広い部分はグラデーションがいいんじゃない?と先生に勧められ、やってもらいました。金粉以外に銀粉もあるけどどうする?と言われ、花の中央部分は銀粉です。
粉を蒔く前と後の状態がこちら。
自分で粉を蒔いたわけじゃないけれど、吹き付けるのを横で見るたびに、絵が輝きだしてきてニヤケがとまりません。
蒔絵体験完成
2時間かかってようやく完成しました。友達は難しい曲面のお椀に中はウサギ、外は細かな藤の花を描いてて、私よりも先に仕上がっててすごい。しかも2つの季節を楽しめるデザイン。遊び心あっていいなぁ。
他の参加者さんのも記念に撮影させてもらいました。私のと違って細い線のメリハリがあったり、グラデーションのおぼろ月や赤い漆をそのまま活かした金、銀の菊など手が込んでいて素敵。
でもこれ、体験は終わったけど実は完成していません。袋に作品を密閉して持ち帰り、うるしが乾くのを1週間待ちます。最後に余計な粉を拭き取って完成。
うるしは粘着力があるので、洗っても粉はカンタンには落ちないから普段使いできるそう。
乾いて使える様になるのが楽しみです(*´ω`*)
品川蒔絵の体験は、下記サイトから申し込むことができます。
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