はじめに:テーブルからの落下…突然のデータ消失
デジタルクリエイターとして活動する中で、私は仕事のデータや大切な思い出を保存した2TBの外付けハードディスク(HDD)を失う危機に直面しました。
原因は、ほんの一瞬の不注意。

まさか…
作業中に繋ぎっぱなしだったHDDを、誤ってテーブルから落下させてしまったんです。(物理障害)
焦って何度もパソコンに繋ぎ直しましたが、認識したりしなかったりを繰り返し、やがて全く読み込まなくなりました。
10年分のデータが詰まったHDDを前に、私は真っ青に。
この記事では、データ復旧業者への依頼から多額の請求を受けるまでの実録と、そこから得た教訓を正直にお伝えします
HDDが壊れてしまったときの参考に、そして予防策のヒントになれば幸いです。
STEP1:不安の中でデータ復旧業者を探す
データ復旧にあたり友人に紹介された業者もありましたが、「早く、自分の目で確かめて依頼したい」という思いから、東京で持ち込み可能な業者を検索しました。
私が選んだのは、検索で上位に表示され、復旧実績も謳っていた「デジタルデータリカバリー」です。


ちょっと迷った点
サイトに芸能人を起用してるし、広告費に注ぎ込んでるなぁ(2017年)…とも思ったものの、「依頼件数10年連続No.1」「当日持ち込みが可能」という言葉に背中を押されました。切羽詰まっていたので、即決です。
夕方でしたが、20時まで受付しているという点も、本当に助かりました。
STEP2:戦慄の見積もり!20万円超の請求
会社に持ち込むと、専門家らしい白衣を着た技術者の方からカウンセリングを受け、すぐに無料診断に入りました。
診断結果を待つこと約45分。そして、恐怖の瞬間がやってきました。
電話で事前に聞いていた「5万円〜」という費用の予想は大きく裏切られます。提示された見積もりは、なんと、

ひぃぃ…
232,848円(税込み)。数千円じゃない、数十万円の請求でした…
- 請求額: 232,848円
- 復旧見込み: 非常に高い(ディスクに傷なし)
- 支払い条件: 成功報酬制(復旧できたデータに応じて請求)

「ディスクに傷はないため、復旧の見込みは高い」と言われましたが、この金額はあまりにも高額です。
しかし、「ここで依頼しなければ診断費用はかからないが、依頼すれば5日後にはデータが戻ってくる」という状況。
仕事のデータを失うリスクを考えると、泣く泣く依頼を決めました。
STEP3:外付けHDDの内部構造に驚く
待っている間に、技術者の方が解説用の外付けHDDの構造内部を見せてくれました。(もちろん、私のものではありません。)


レコードじゃん!
HDDって、本当にレコードプレーヤーみたいになってるんだ…!
データが書き込まれる磁気ディスク(円盤)と、データを読み取る磁気ヘッド(レコード針のような先端)。
「磁気ディスクに傷がなければ、ヘッド交換で直るのでは?」と思ったのですが、HDDは塵に非常に弱い精密機器。素人が勝手に開けるのは厳禁で、クリーンルームと熟練の技術が必要だと聞かされました。

餅は餅屋
やっぱりプロじゃないと無理だ…と納得。
STEP4:復旧完了と、データ確認の重要性
5日後、無事に復旧完了の連絡が来ました。
電話で「宅配業者にカード決済で支払ってください」と言われましたが、私は不安でした。
本当に全てのデータが復旧しているのか?後から「データが欠損していた!」となれば、再修理で追加料金がかかるかもしれません。
そこで、会社まで出向き、復旧データの全フォルダを確認させてもらうことにしました。

安心したけど…
データは全て復旧していました!本当に嬉しかった!
でも、会社での支払いは現金のみ…近くのコンビニATMでお金を下ろし、多額の現金を支払う羽目になりました。(※郵送受け取りならカードも使えます)
STEP5:壊れたHDDの返却とレンタルHDDの利用
自分の壊れたHDDは返却されましたが、復旧されたデータは、10日間無料レンタルの新しい外付けHDDで納品されました。

10日を過ぎると買取費用が発生するため、翌日にはすぐにデータを自分のパソコンに移し、レンタル品を着払いで返却して一連の作業が完了しました。
失われたと思っていた過去の制作物や大切なデータが手元に戻り、安心と喜びを強く感じました。20万円以上の勉強代でしたが、データが戻ってきて本当によかったです。
まとめ:多額の出費から学んだ教訓
今回のデータ復旧にかかった高額費用は、「仕事で使うものへの備え」を怠った私への痛い教訓となりました。
データ復旧業者は最後の砦ですが、費用は高額になりがちです。この実体験から得た最大の教訓は、以下の2点です。
- 外付けHDDは精密機械で消耗品。永久に使えるわけではない。
- データは常に複製し、リスクを分散させること。
高額な費用をかけて後から復旧するのではなく、日頃から複数の場所にデータをバックアップし、リスク回避を図ることが何よりも重要です。

教訓
壊れる前に分散! これが一番安くて確実です。
※バックアップの具体的な危険性や分散方法については、姉妹記事も参考にしてください↓


