Webデザイナーのなべっちです。在宅ワークが一般的になった今、多くの方が「フリーランスなら時間に縛られず働けるはず」と期待しているでしょう。しかし、私のフリーランス生活は、「派遣社員とほとんど同じ時間管理」からスタートしました。
本記事は、2019年以前、在宅ワークがまだ珍しかった頃に私が経験した「とある1日」のスケジュールを、思い出として公開するものです。通勤時間ゼロの恩恵で「ゆったり」とした日々を送っていましたが、この働き方には後々気づく大きな契約上の問題(偽装請負に近い拘束)が隠されていました。
「ゆとり」と「拘束」が混在した、私のリアルな在宅フリーランス時代を振り返ります。
職場でなく「自宅リビング」を選んだ理由
2016年の新春から在宅ワークを始め、私の仕事場は自宅のリビングになりました。当初は近所のコワーキングスペースなども試しましたが、結局自宅に落ち着きました。
人によっては「仕事と私生活の切り分けができない」「家だと遊んでしまう」という問題があると思いますが、私の場合、以下の理由から自宅が最適でした。
- 子育てをしていないため、家の中が静か。ゲームなどのおもちゃや趣味も仕事スペースにはない。
- 取引先の営業時間に対応できればよく、無理な仕事量がなく、夕方にはサクッと終了できた。
また、自宅で仕事をしているため、家賃の1/3は経費として確定申告しています。これもフリーランスの小さなメリットでした。
ゆとりを生んだ!40代フリーランスのリアルな一日(2019年当時)
「好きな時間に働けて羨ましい!」という期待には添えず申し訳ありませんが、当時の私の仕事内容と時間は、派遣社員だった時とほぼ同じです。しかし、通勤時間が無いという事実が、生活には大きなゆとりを生みました。
| 時間帯 | 内容 | ゆとりの使い方 |
|---|---|---|
| 7時 | Web解析系の勉強や読書 | 早起きして自己投資の時間 |
| 8時 | 朝ごはん、掃除 | 家事を済ませる |
| 9時 | 業務開始 (取引先の始業時間に合わせて) | Skypeでチームメンバーと挨拶、進捗報告(テキストベース) |
| 10時 | 洗濯干し(浴室乾燥) | 仕事にゆとりがある日はブログ用の写真撮影も |
| 12時半 | 昼食(夕飯の残り) | 『ヒルナンデス』を見ながらブログネタ探し |
| 13時半 | お仕事再開、夕方まで集中! | iPadでボサノバやラジオ(radiko)をBGMに |
| 17時半 | 業務終了 (取引先の営業時間終了とともに私も閉店) | |
| 19時 | 近所のフィットネスでウォーキング&お風呂かスーパーへ買い物 | |
| 21時半 | 趣味のブログ作成 | 好きなことに没頭する時間 |
| 24時 | 就寝 |
【ゆとりの源泉】すっぴんでもOK、通勤時間ゼロの自由
この働き方の最大のメリットは、やはり通勤時間ゼロです。このおかげで、毎朝の勉強時間や趣味の時間、夕方のフィットネスなど、ゆったりとした日々を過ごすことができました。
しかも、業務が基本チャットテキストベースのやり取りだったため、身だしなみを整える必要がなく、すっぴんの日もありました。(週に一度のビデオチャット会議の時だけは、確実にメイクをしていましたが…)
【警告】この「ゆとり」は偽物だった?契約形態に潜む罠
このようにゆとりある在宅ワークを満喫していましたが、後になってこの働き方には大きな落とし穴があったことに気づきます。
当初は問題なかったものの、当時のWeb担当責任者が転職した後、状況は一変しました。
私たち(私も含め後任の方々)は、業務委託という契約をキチンと理解していませんでした。そのため、契約内容が実質的に派遣社員や正社員のように「ひどく拘束される」ものになっていることに気づいていませんでした。
- 取引先の始業時間(9時)と終業時間(17時半)に合わせる義務。
- 日々の進捗報告や連絡事項の確認。
自由な働き方を求めてフリーランスになったにも関わらず、勤務時間や業務指示に縛られてしまう——。
これは、業務委託というよりも偽装請負に近い拘束です。在宅フリーランスを目指す全ての人に知っておいてほしい、私の苦い思い出であり、契約の重要性を痛感した経験です。
まとめ:リモートワークの自由と契約の責任
私の在宅フリーランスの最初のスタイルは、憧れの「好きな時間に働く」とは程遠いものでした。しかし、通勤時間を削り、ゆとりを生むことはできました。
もし今、あなたがリモートワークを検討しているなら、働き方に本当のゆとりを持てるかどうかは、契約書の内容にかかっています。私の失敗を教訓に、業務委託契約を結ぶ際は、契約書の内容を隅々まで確認し、自由と責任を両立した働き方を手に入れてください。

