富山・能作で大人のワークショップ。伝統工芸「生型鋳造法」で錫ぐい呑み作り体験

富山県高岡市「能作」での鋳物体験レポMV。メインコピー「能作で叶える、大人の社会科見学。錫のぐい呑み製作体験」と、新高岡駅からのアクセス情報。手に持った完成品の錫のぐい呑みと、NOUSAKU LABの作業スペースをコラージュしたデザイン。

富山県高岡市にある鋳物メーカー「能作(のうさく)」。 数年前、東京のコレド室町で「自由に曲がる錫(すず)の器」を初めて手にした時の驚きは今でも忘れません。「金属なのにこんなに簡単に形が変わるの?」という衝撃と、その洗練されたデザイン。

テレビ番組『ガイアの夜明け』でその舞台裏を知って以来、「いつか本社で、自分の手で器を作ってみたい!」という願いがようやく叶いました。

今回は、90分の本格的な「鋳物製作体験」をレポートします。

圧巻の木型がお出迎え!まずは「能作ランチ」で腹ごしらえ

富山県高岡市にある能作の外観とロゴ看板

新高岡駅からタクシーで約15分。本社に入ると、壁一面に並んだ膨大な数の「木型」に圧倒されます。

能作の館内に展示された鋳物の木型が壁一面に並ぶ様子

単なる道具のはずなのに、こうしてずらりと並ぶとアート作品みたい。

体験の前に、まずは施設内のカフェ「IMONO KITCHEN」で腹ごしらえ。
メニューにはロコモコ丼やカレーなどもありましたが、私の目にとまったのは、やはり地元の名産「氷見うどん」を使ったセットです。

能作で食べた海老クリームうどんとサラダのランチセット

注文したのは「海老クリームうどんセット(1,600円)」。

運ばれてきた料理は、もちろんすべて能作の錫の器に入っています。ずっしりとした金属の質感と、海老クリームの鮮やかな色のコントラストが美しく、食べる前からクリエイター心がくすぐられます。

濃厚なエビのスープや、新鮮でシャキシャキとしたお野菜のサラダに特製のドレッシングも最高!

でも実は私、氷見うどん独特のツルツルしたソフトなコシがあまり得意ではなく……
だからといって「名産×能作の器」という組み合わせの魅力には勝てませんでした(笑)。

本命!90分の鋳物製作体験(生型鋳造法)

今回参加したのは、事前予約制の鋳物体験。
場所は「NOUSAKU LAB」という、明るく開放的なワークショップスペースです。

鋳物体験の概要
  • 所要時間:約90分
  • 料金:4,950円(税込)※ぐい呑み「山」
  • 場所:NOUSAKU LAB
  • 内容:砂型を使った鋳造体験(生型鋳造法)

正直、体験前は「90分も何をするんだろう?型に流して終わりじゃないの?」なんて思っていたのですが、実際は想像以上に“職人の世界”を肌で感じる、本格的な工程でした。

鋳物体験の流れ:砂と格闘するドキドキの90分

エプロンと手袋を装着して、いざスタート!

能作の鋳物体験でエプロンと手袋を装着して準備する様子

① 型に砂をかけて固める

まずは木枠の中にカップの型をセットし、型離れを良くする白い粉(離型剤)をふりかけます。

使用するのは「オイルサンド」という、しっとりした感触の砂。ふるいを使って細かくかけたあと、手で力強く押し固めていきます。

金属を流し込むための湯口の部分に、煙突のような筒を乗せ、それが倒れないようにしながら、さらに砂を盛っていきます。

② 木枠いっぱいまで砂を詰めて圧縮

突き棒を使って、木枠の隅々まで砂をトントンと固めていきます。

木枠を3周、トントンしながらグールグル。お城の堀みたいな溝ができた!

さらに砂を山盛りに積み、底が平べったい道具でスタンプを押すように何度もペタンペタンとして平らに。

押し固めたあと、鉄の定規のような板を滑らせ、余分な砂をスルスルと削ぎ落とします。

そして煙突のように突き立てていた棒を抜き、スタッフさんに湯道の部分を滑らかに整えてもらいました。

③ ひっくり返して型を取り出す(ここ緊張した!)

表面が整ったところで、木枠ごと一気にひっくり返します。

え、押し固めたけどさ、これ傾けただけで砂がボロボロ崩れたりしない!?大丈夫!?

かなり不安でしたが、大惨事は起きませんでした。
ひっくり返した面には、砂に埋めた型が綺麗に現れて感動モノ!

また白い粉をふりかけます。

④ 上型を作る(2層構造)

せっかく綺麗に現れた型もすぐにバイバイ。
木枠を重ねて砂を盛り、固め表面を平らにしたら、型はすっかり見えなくなりました。

体験しているときはピンとこなかったのですが、実はこれ、カップの“空洞(内側)”になる部分を作っているんです。この工程で、鋳型が上下2層のサンドイッチ構造になります。

⑤ 型を外して空洞を作る

重ねた木枠をしっかり持ってまたヒックリ返し、さらに本を開くようにパカッと開けます。

左面に乗ってる音符のような型(湯道)は砂の上に乗っかってるだけなのでつまんでさっと取り、右面に埋まったカップの型は、木枠を逆さにして軽く揺すると、ポテッと落ちました。

砂の中にカップの形の空洞が完成。

これが完成形になるのか…!

型を外したら、木枠のコーナー部分のビスがずれないように、上下にぴったり重ねあわせます。

⑥ 溶けた錫(すず)を流し込む

ここからはプロにおまかせ。スタッフさんが、ドロドロに溶けた錫を湯口から流し込んでくれます。

溶けた錫を流し込む

金属なのに、さらさらした液体として流れる様子がとっても不思議。

⑦ 取り出し&仕上げ

錫はすぐに固まるので、あとは砂からぐい呑みを取り出すだけ。
木枠を揺すって砂を全て落とし、まだ熱を帯びた「自分だけのぐい呑み」を取り出す瞬間、嬉しくてグフっと声が漏れてしまいました。

ぐい呑みにくっついたままの余分な部分(湯道)をカットし、砂を筆でパラパラ払い落とします。

ぐい呑みを裏返して刻印を打ち、スチールウールで表面を磨き上げれば完成。

刻印をなんて打とうか悩む?
名前だけにしようかと思ったけど、思ったよりスペースもあるから記念に体験日も入れておこうかな?

完成!不揃いだからこそ愛おしい「自分だけのぐい呑み」

こうして完成したのが、こちらのぐい呑みです。

手作りならではの質感と、少しの歪み。均一な既製品にはない、この「味」が堪りません。刻印が少しズレてしまったのも、今となっては良い思い出です。

砂焼けでザラついてしまった表面は、家に帰ってからゆっくり磨けばなんとかなる予定。ならなくても記念♪

それよりこれで富山の地酒を飲むのが楽しみすぎる……!

体験を終えて:大人こそハマる「ものづくり」の魅力

正直、想像していたより何倍も楽しかったです。
ただ手順に従うだけの「体験」ではなく、砂の固め具合や力の入れ方など、自分の手仕事がそのまま完成品に反映される「ものづくり」の醍醐味がありました。

能作の鋳物体験がおすすめな理由
  • 砂型から作る「本格派」の工程が楽しい
  • スタッフさんの説明が丁寧で、初心者でも失敗しない
  • その場ですぐに作品を持ち帰れる
  • 「自分で作った器でお酒を飲む」という一生モノの楽しみが増える

「崩れるかも?」というスリルと、ワイワイ賑やかに手を動かす時間。
富山旅行を計画しているなら、ぜひこの「大人の工作」をコースに組み込んでみてください。旅の思い出が、形になって残る喜びは格別ですよ。

今回の訪問スポット

能作(NOUSAKU)

錫(すず)の特性を活かした製品で知られる伝統工芸の拠点。工場見学やカフェも併設されており、五感で「ものづくり」を楽しめます。

  • 体験: 錫のぐい呑み製作(約90分)
  • アクセス: JR新高岡駅から「能作前」バス停まで約15分
  • 公式サイト: https://www.nousaku.co.jp/

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