長崎神浦港からフェリーで約30分、池島に行ってきました。かつて炭鉱で栄えた島ですが、安価な海外炭に押され需要が無くなり2001年閉鉱、最盛期7700人だった人口も今や200名程。閉山後は炭鉱技術海外移転事業をはじめ、炭鉱跡地には現在研修センターが設けられ、鉱山事故が多発するアジア諸国に技術伝承を行っています。また長崎県の観光企画として炭鉱体験ツアーも催してるんですが、今回はその炭鉱体験ツアーに参加してきました。
長崎「池島炭鉱体験ツアー」
探検ツアーではワゴン車が池島港フェリー桟橋まで迎えに来てくれて、まず池島開発総合センターに向かいます。そしてそこで炭鉱概要の説明ビデオを見せてもらい、見終わったあと手荷物を預けヘルメットとキャップランプを装備し、カメラ片手にトロッコ電車でいざ入坑。
坑内はひんやりとし冬場はカラッカラになるらしいのですが、今の時期はまだ湿度も高く水たまりもあり白カビがいたるところに生えてました。
それでも線路や配線が張り巡らされたトンネル内は、ワクワクするから不思議(*゚∀゚)
「巨大掘進機ロードヘッダー」を元炭鉱マンさんが説明してくれました。実際動かしていた機械、それを操作していた元炭鉱マンさん、普通のガイドさんとは違ってリアリティあり惹きつけられます。
石炭採掘現場復元場所では「採炭機ドラムカッター」が大きな音を立て、当時の様子を模擬運転しました。
防塵マスクを被り「削岩機体験」もできます。
ガスなどが出た場合に避難する「緊急避難所」では、事故が起きた際の酸素ボンベの使い方など説明を受けました。外部との連絡電話や酸素マスクなどあるものの、実際には使われたことがなかったそうです。
この線路からも地上に運ばれていたんですね。約1時間の坑内ツアー終了。
ちなみに炭鉱で働いていた人は8時間労働なのですが、採掘場が掘り出すごとに段々遠くなり現場に着くまで片道1時間半かかってました。24時間止まること無く稼働続ける炭鉱は3交代勤務、自然発火も気を配らなければならないほど命の危険とは隣り合わせだし大変なお仕事。
炭鉱の町だった池島の現在
もちろんそんなきつい仕事には娯楽もあります。今はゴーストタウンのような町になってますが、当時は飲み屋にパチンコ、ボーリング場もあって賑わってました。帰船の時間までの50分、そんな島の様子を車で案内してもらいます。
このレトロで個性的な炭鉱アパートは8階建て、エレベーターはありません。
エレベーターはないものの山の傾斜を活かして建てられているため、4階部分の渡り廊下から反対側の道路と繋がっていて出入りできました。繁盛期は大勢の炭鉱夫とその家族が住んでいたのに、今は殆ど人気もなく廃墟と化して軍艦島さながらな雰囲気。
猫だらけ 池島
池島には食堂「かあちゃんの店」があり、今も営業しています。店の前には沢山の猫が餌を待ってました。
伸びるにゃんこにしっぽピーン、餌の時間だワイワイ!
みんなが餌に向かう中、カメラに気づき振り返るハチワレ猫。
しかしこの池島ほんと猫だらけビックリ、この食堂だけでなく普通にブラブラ歩いてる姿や、港でものんびり日向ぼっこする姿を見ることが出来ます。
海辺には役目を終えた巨大なジブローダーという機械が佇んでました。ジブローダーは石炭をベルトコンベアーに乗せる機械です。
映画『池島譚歌』のロケ地にもなっています。
まとめ
池島は2001年まで稼働してたこともあり、軍艦島まで朽ちた感はありません。今でも年金生活者など年配の方が島に残っていて、風呂のないアパートのため1回100円誰でも入れる銭湯も健在です。今回の炭鉱体験は、静寂で遠くからゴーストタウンと化した軍艦島よりももっと当時の状況を知ることができ、実体験をしてきた人の説明、当時の栄光を見ることが出来て貴重な体験でした。
午前中のコースは朝かなり早く出発しないと参加が厳しいのですが、2時間島内見学出来るそうなので、時間にゆとりがあるならば絶対午前コースがオススメ!
軍艦島のように立入禁止になる前に、パチンコ屋や朽ちたアパート内部とか当時の生活感がわかるような状態を実際見て回れた最高ですね。